実践記録 / AIメディア会社
AIと5つのブログを運営して気づいたこと|仕組み化で本当に減らすべき仕事
仕組みは、管理を増やすためではなく、行動を増やすためにある。
AIを使って5つのブログを運営している。記事の企画を考え、AI社員に制作を任せ、支店長が確認し、最後に僕が判断する。そんな「AIメディア会社」の形を少しずつ作ってきた。
最初は、役割を分ければ仕事が速くなると思っていた。でも実際には、AI社員が増えるほど、僕自身の操作も増えていた。
指示を出す。報告を受ける。別のチャットに転送する。もう一度確認する。気がつけば、記事を公開するよりも、仕事の進行を管理する時間のほうが目立っていた。
AI社員を増やしたのに、自分の仕事が減らなかった
僕はゴルフや商品の比較記事など、テーマの違うブログを運営している。サイトごとに支店長や制作担当を置けば、それぞれの仕事を進めやすくなる。その考え自体は今も変わらない。
ただ、役割を分けただけでは仕事は減らなかった。社員から「次の工程へ進んでいいですか」と聞かれ、支店長に判断してもらい、その結果をまた社員に渡す。小さな工程でも同じ往復が発生していたからだ。
AIに任せるための仕組みが、いつの間にかAIを管理するための仕組みになっていた。
Cloudflareのサイト制作で見えた、過剰な確認の問題
この問題をはっきり感じたのが、Cloudflare版ノマドラボをAstroで作ったときだった。
WordPressとは別のサブサイトとして、記事を独立したページで表示できる形にしたかった。AI社員と一緒に構成を作り、GitHubやCloudflareの設定を確認し、ブラウザの自動テストも整えた。
途中では、14件のブラウザテストのうち4件が失敗した。原因を調べると、画像を画面内までスクロールしないまま読み込み完了を判定するテスト側の問題が有力だった。確認処理にスクロールを追加して再実行すると、14件すべてが合格した。
記事本文や画像を作り直す必要はなかった。それでも、ここへたどり着くまでには何度も指示と報告を繰り返していた。
安全確認は大切だ。でも、確認を増やすことと、価値を増やすことは同じではない。
本当に減らしたかったのは、社長の操作回数だった
今回、僕が一番減らしたいと思ったのは「社長が一つひとつの工程を動かす回数」だ。
方向を決めること、何を届けたいか考えること、公開してよいか判断すること。そこは僕の仕事として残していい。
一方で、限定修正の指示を何度も転送したり、合格済みの項目をもう一度確認させたりする仕事は、なるべく仕組みに任せたい。
だから、運営ルールを変えることにした。原則は「1案件1GO」。最初に目的と制約を決め、調査・制作・必要十分な確認までをまとめて任せる。承認済みの範囲なら、社員が自分で進める。
「早く公開して改善する」は、雑に作ることではない
公開できる状態になったら出す。読者に届いたものを見て改善する。次の記事へ進む。僕が回したいのは、この循環だ。
もちろん、事実と異なる内容、個人情報の漏えい、費用が発生する操作、元に戻せない変更は別。ここでは止まって確認する価値がある。
でも、軽微な余白の調整や、公開後にも直せる表現の違いまで理由にして、毎回公開を止める必要はない。
サブサイトで試し、問題があったら改善する。Cloudflare版ノマドラボは、その考えを実際に試す場所にもなった。
仕事の回転が、次の仕事を速くする
記事を一本公開すれば、記事が残る。公開でつまずけば、解決方法が残る。自動テストを一度作れば、次の案件でも使える。
だから、速く動くことには意味がある。速さそのものが目的ではなく、行動の結果が次の仕事に再利用され、積み上がっていくからだ。
今回のCloudflare案件で作ったAstroの構成や確認手順も、次は最初から作り直さなくていい。これが、仕組み化の本来の価値だと思う。
仕組みは、管理を増やすためではなく、行動を増やすためにある。
僕がこれから増やしたいのは、GOの数でも報告書の枚数でもない。公開した記事、改善した経験、そして次につながる行動の数だ。